自分のことを、どうしても受け入れられない。認められない。自分のことが好きになれない。
そうして自己否定を繰り返して苦しんだ時期が、ありました。
でもそんなある日、気づいたのです。
「ああ、これが苦しいのは、本当は自分を受け入れたいからなんだな」、と。
自分はダメなやつだと思う。でも、本当は好きになりたい。認めてあげたい。自分と仲良くなりたい。
自分を受け入れられない日々は、四六時中自己否定の連続で、生きるのがまったく楽しくなかったのですが、「でも本当は受け入れたい」と思っている事実は、これからを明るくする一筋の光のように感じました。
そこから「自分を受け入れるには、どうしたら良いのだろう」と試行錯誤して、今自分と仲良く生きられるようになるまでの間に「やってよかった」と感じた2つのことを、今回はお届けします。
自分を受け入れられない理由
そもそもなぜ「自分を受け入れられない」と感じていたのか。
人それぞれ様々な理由があると思いますが、大きく言えばこの3つなんじゃないかと思うのです。
理由1|理想が高すぎる
「こういう自分であるべき」という理想が、とっても高くなっているかも。
わたしの場合は「誰にも迷惑をかけない、ちゃんとした、頼られる人間でなければいけない」と思っていました。
それゆえにダメな自分を許せなかったり、欠点を許せなかったり。
でも今は「いやいや、迷惑をかけないで生きられる人なんていないよ……!」と思いますし、欠点こそが愛嬌だったり、ダメなところがおもしろかったりするなあと思ってます。でも当時は、そうは思えなかったんですね。
たぶんこの「こうあるべき」は、幼少期に「こうしないと親に認めてもらえない」と思った経験とか、これまでの価値観が影響していると思います。
この「こうあるべき」を少しずつ解いていくための方法は、のちほどご紹介しますね。
理由2|自分を否定することが「良いこと」だと思ってる
今に満足せず、より上を目指すことが誉められる風潮が、社会全体にあるような気がします。
健やかな上昇志向は良いことだと思いますが、今の自分を全面否定して「理想の自分」だけをOKとみなすことは、あまり健全な視点ではないかも。
でも、「もっと上を」というと周囲の大人が喜んだり、その方が格好良く見えたりして、「今の自分を否定する癖」がついてしまった人も多いのではないかと感じます。
理由3|傷つかないための予防線として、自ら否定しておく癖
誰かに自分を否定されるのが怖くて、「だったら自分で自分を否定しておこう」と、率先して自分を否定していたり。
たしかにそれだと、誰かから否定されてショックを受ける割合は減るかもしれません。でも、そもそも四六時中自分で自分を傷つけていることになります。
つまり他人からの否定への予防線としては機能するかもしれませんが、この方法では自分の心はどんどんすり減るばかりです。
自分を受け入れると、どうなるのか
では、自分を受け入れられると、日々はどう変わるのか。
少なくともわたしは、こんなふうに変わりました。
[ 変わったこと ]
・気楽に生きられるようになった
・自分が一番自分をわかってあげられている感覚がある
・人からも受け入れてもらえていると実感できるようになった
劇的に何かが変わったというよりは、じんわりと、日々が色を取り戻したような感覚。
生きるのが辛かった頃から比べたら随分と「明日が楽しみだ」と思えるようになりました。それは、大きな一歩だったかもしれません。
自分を受け入れるための、2つのノートタイム
自分を受け入れるために実践したことの中から、「これはやって良かった」と感じたことを、2つご紹介します。
いずれも頭の中であれこれ考えるよりも、ノートを開いて言葉を綴るのがおすすめです。
自分の思考を、自分から切り離すこと。
客観的に眺められる文字にすることは、思っている以上に大きな効果があります。
1)自分の本音に気づくノートタイム
[ やること ]
毎日、本音を箇条書きで綴る。
▽point
・綺麗に描かなくてOK
・書き出すだけでOK
・とりあえず2週間続けてみる
毎日、自分の頭と心のなかにある「本音」を、ひたすら箇条書きで記しました。
綺麗に書く必要はなくて、怒っている時は筆圧が強かったり、気持ちが荒ぶっていると文字が大きくなったりしても全然OK。
まずは書き出すだけでじゅうぶんです。つまり、「こう思ってるんだな」と気づくだけで良い。それを受け入れようとか、肯定しようとかは、思わなくて大丈夫です。
まず2週間、毎日記録をつけてみる。
自分の本音を聴く時間を持つこと、自分との対話の時間をつくるだけで、自分との関係はずいぶんと変わります。
[ 2週間続けたら ]
自分の本音を2週間書き続けたら、その習慣は継続しつつ、その中で共感できる部分だけ「これはわかる」とか「あれは本当に嫌だったよね」と相槌を打ってみましょう。
箇条書きにされた本音に、赤ペンや青ペンで返事を書いても良いかもしれません。
とにかく、自分と建設的に対話すること。それが、自分を受け入れていくことでもあります。
2)人のダメなところを受け入れるノートタイム
[ やること ]
好きな人の「愛すべきダメなところ」や「一般的には欠点であろうこと」を書き出して、「でもわたしはそんなところも好き」と、受け入れてみる。
▽point
・「好きな人」を対象にする
・どうして受け入れられるのか考えてみる
例)忘れ物が多い→完璧じゃないところが人間らしくて好き、など
自分のダメな部分を受け入れる練習として、まずは「他人のダメなところ」に目を向けてみましょう。
自分を許すのはなかなか難しいかもしれませんが、誰かのダメなところだったら、受け入れやすいかもしれません。
ポイントは、自分が好きな人達のことを、思い浮かべること。
嫌いな人や合わない人のダメなところは、なかなか受け入れられないものです(わたしだけかな……笑)。
そもそも自分も自分のことを「本当は好きでいたい」と思っているので、どちらかというと「好きな人」の方がイメージに近いのです。
ですから、好きな人たちの欠点や短所を受け入れることは、自分を受け入れるための練習になります。
人って、そんな完璧な生き物ではないんです。完璧に見える人も、何らかの欠点を持っています。
ちなみにわたしは、よく「真面目そう」とか「しっかりしてる」と言われるのですが、実際は忘れ物が多く、怠け者です。また、「優しそう」と言われたりしますが、実は毒舌です。あっ、でも悪口は言わないです。ただ、率直に毒舌なだけです(?)。
でも親しい人たちは「そこがおもしろい」と、おもしろがってくれます。
欠点を、おもしろがれること。ご愛嬌だと思うこと。そんな視点も、持ってみるのがおすすめです。
POINT|「自分を受け入れる」は無理して肯定することじゃない
自分を受け入れる2つのノートタイムをお届けしましたが、これから自分を受け入れていく中で、以下のポイントは抑えておきたいところです。
POINT1|無理に肯定しなくて良い
自分を受け入れられなくて困っているのですから、最初はおそらく、認めたり受け入れたり肯定したりするのは、難しいと思います。
それを無理やり肯定したり、ポジティブに考えたりしようとすると、心と行動が乖離して、より一層辛くなるだけ。
肯定できないと思ったら、無理に肯定しなくて良いのです。
最初は「そうなんだ」と自分の話を聞くだけでOK。つまり、否定をやめてみることから。
POINT2|長い時間がかかると心得ておく
ずーっと嫌いだった自分を、急に好きになるのは難しいはず。
つまり、「自分を受け入れよう」と先ほどご紹介した2つのノートタイムを実践しても、2週間で自分のことが好きになれるかというと、ほとんどの人は難しいと思います。
自分を受け入れるのには、「これまで自分を否定してきた時間」と同じ長さがかかります。
20年ものあいだ自己否定してきた人は、これから20年かけてゆっくりと、自分との仲を深めていくのです。
「そんなにかかるんだ……」とガッカリするでしょうか?
でも、自分との仲はゼロか100かではないんです。じわじわと、自分を認められるようになっていく。心地よく生きられるようになっていく。
その過程も観察しながら楽しむつもりで、これからを生きてみるのも良いかもしれませんよ。
本当は「受け入れてあげたい」と思っている自分の気持ちに気づいたら
自分を受け入れられない。でも、本当は受け入れてあげたい。
そんな気持ちに気づいたなら、きっともう受け入れ始める準備が整ったということです。
これから、自分との仲を深めていくために。何か参考になりますように。
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