なんだか、生きている実感が薄くて、日々が灰色に感じるとき。
「このままでは嫌だ」とは思うけど、自分がどうしたいのか、何がやりたいのかも、わからない。
そんなときに試してほしいのが「自分の声をじっくり聴くこと」です。
ひょっとしたらこれまで、「しなきゃいけない」「こうあらねばならない」という気持ちで、自分の本音を無視して頑張りすぎてしまったのかも。
「自分」を見失ってしまったと気づいたら、それは「自分との対話の時間が必要」というサイン。
今回は、腰を据えてじっくり自分と話すための自己対話について。
自分が「自分」のいちばんの理解者に|自己対話の先にあるもの
自分の声をじっくり聴くこと、つまり自分と対話することには、どんな効果があるのか。
まずは、自己対話を通して得られる感覚について、まとめました。
自分との対話が必要な理由
いま、自分が楽しいと思える日々を過ごしていなかったり、心地よい場所や関係性を持てていなかったりするとしたら。
それはたぶん、これまで「自分の声」を無視してしまったからだと思います。
もちろん無視してしまうのにも事情があって。きっと「こうあらねばならない」という理想に近づこうと懸命に努力してきたり、「しなきゃいけないこと」を必死に追いかけたりしてきたのだと思います。
でもそうやって無理をしながら走ってきても、どうにも心が満たされない。気持ちはからっぽで、生きている喜びが得られない。
やっぱりわたし達はロボットではないから、淡々と生きるよりも、もっと「自分」を心地よく生きていきたいと願うのだと思います。
そして自分を心地よく生きるためには、自分の声を聴くことが必須だと思うのです。
生きる上での、いちばんの味方である自分
人間関係を築く上で、たとえば親しい人やパートナーとの関係を深めるには、お互いに心の内を話すことが重要ですよね。
それとまったく同じことが、自分と「自分(心の声)」の関係においても言えると思います。
しかも自分と「自分」は、この人生をいっしょに生きていく存在です。無視しようがなんだろうが、ずっといっしょ。
逆に言えば、「自分」をいちばん見ていてあげられるのは、自分なのです。
だったら、自分と「自分」が仲良くあるのが良いんじゃないかなあと、感じます。
何があっても、自分が話を聞いてくれる。受け入れてくれる。自分と「自分」は何があっても味方であるという安心感が、心地よく生きていくためのベースになると思うのです。
本音を言い合える関係の人がひとりいるだけで、心が救われたりします。それが他人ではなくて自分自身であっても、同じことです。
ただ、そもそも自分と「自分」が対話していないと、仲良くなりようがありません。
自分が「自分」のいちばんの味方になること。そのために、自分の声を聴くことが、大事だと思うのです。
方法|ノートとペンと場所を整えて自己対話の時間をつくる
では、自分との対話ってどうやればいいの?
ということで、ここからは自己対話をする方法について。
ペンとノートを使ったやり方と、自分の声を聴くための質問をご紹介していきます。
必要なもの
自分の声を聴くいちばん簡単な方法が、ペンとノートを使って「自分の声を書き出す」ことです。
【必要なもの】
・ノート(紙でもなんでも)
・ペン(書きやすいもの)
自分の声が聴き取りづらいのは、たぶん他の声(他人の言葉や「こうあるべき」という理想など)に埋もれてしまいがちだからだと思います。
であれば、まずは自分の声を聴き取れるよう、文字にして可視化してみるのがおすすめ。書き記すことで、埋もれずにすむのです。
加えて重要なのが、落ち着ける場所とたっぷり対話できる時間です。
誰かに話しかけられる可能性のある場所だと、安心して話ができません。
(友達と「誰にも聞かれたくない話」をするときも、場所って大事ですよね)
そして、おそらく自分と対話するのには、けっこう時間が必要です。これまで自分の声を無視してきたなら、なおさら。
ひょっとしたら、「自分」は本音をなかなか声にできないかもしれません。ですからなるべくたっぷりの時間をとって、美味しい飲み物をおともに、ゆったりと気持ちを構えて、おこなうのがおすすめです。
ノートに書くこと
ノートを開いて何を書き出せば良いかというと、これといった決まり事はありません。
いま頭の中にあること、ずっともやもやしていたこと、怒りや悲しみ、なんでも思いつくことを文字にするだけ。
綺麗に整理しながら書いたりする必要もありません。
あくまで目的は「自分」の声を聴くこと。まずは「自分」がいま何を思っているのか、どう感じているのか、それが文字として見えるようになるだけでOKなのです。
自己対話のための質問
とはいえ「さあ、自分と対話するぞ!」とノートを開いても、なかなかペンが進まないかもしれません。
そんなときは、ぜひ以下の質問を「自分」に投げかけてみてください。
【「自分」への質問 1】
まずは「今」について、質問してみましょう。
・自分は今、どんなことが心に引っかかっている?
・自分は今、何を思ってる?
「自分」の「今」に対する本音もなかなか聴こえてこなければ、何度か時間をつくって、根気よく聴いてみましょう。
まずは「今」の自分についての話ができるようになることが、スタートラインです。
そしてすこしずつ本音が聴こえるようになったら、次は過去や未来についても話してみます。
【「自分」への質問 2】
▼過去
・自分は、本当はどうしたかったの?
・自分は、本当はどう思ったの?
▼未来
・自分は、本当はこれからどうしたい?
自分と「自分」の対話で気をつけたい3つのこと|自己対話の注意点
自分と「自分」でじっくり対話する上で、3つ気をつけたいことがあります。
最初はただ聴くだけでいい
ノートを開いて、ペンを握って、自分のなかにある声をひたすら文字にしていく。
そして文字になった「本音」について、ひょっとしたらいろいろと言いたくなるかもしれないのですが(そんなのできるわけないじゃん!とか)、そういう意見はいったん置いておきましょう。
最初は、ただ聴くだけでいいのです。つまり、文字をただ「へえ、そう思ってるんだね」と眺めるだけでいい。
批判も肯定もしない。むしろしない方がいい。ただ受け取る。
批判や否定だけでなく、無理に肯定したりポジティブに持っていったりするのも避けましょう。
例えば友達に何か悩みを話しときに、自分はただ聴いてほしいだけだったとして、それなのにポジティブに考えるよう促されたりすると、ちょっと苦しかったり。
そういう “自分がされて嫌なこと” は、「自分」にもしないようにしましょう。
ただ、聴くだけ。「そっかそっか」と、何も言わずに受け取ってみましょう。
根気よく繰り返すこと
先ほども少し書きましたが、これまで自分の声を無視してきた場合、ひょっとすると「自分」の本音が出てくるようになるまで、時間がかかるかもしれません。
想像してみてほしいのですが、自分が何か言うたびに批判してくる相手がいたとしましょう。
そういう人に、本音を言うのって怖くなっちゃうと思うのです。
その人が改心して「これまではごめんね、これからは何でも言って。批判しないからさ」と言ってきたとしても、すぐに信じられるようになるかといったら、そうじゃない気がします。
それが、自分と「自分」の関係においても言えます。
これまで話を聴いてくれなかった自分に対して、「自分」はなかなか心を開けないかもしれない。
もしそうだったとしても、根気よく繰り返してみましょう。さいしょは聴けなくても仕方がないと割り切って、何度も時間をとってみる。
そうするうちに「あれ、ひょっとして本当に聴いてくれるのかも」と、少しずつ心を開いていけるから。
対話ができるようになったら、パートナーとして話し合う
本音がすらすらと文字になり、「自分」が本当は何を考えていたのか、どんなことがやりたくて、本当はどう生きたかったのかがわかってきたら。
それはもう、自分と「自分」が手を取り合って、いちばんの味方としてこれからを作っていけるタイミングです。
「自分」の本音に対して、自分がどう実現していくか、考えていきましょう。
ただ時には本音の「これをやりたい」「こうありたい」というのを、すぐには実現できないこともあると思います。
そういうときは「すぐには難しいから、まずはここからやってみよう」みたいに、「自分」と話していく。
そうやって、自分と「自分」が最良のパートナーとして、これからを生きていけるように。
心地よく生きるためのベースをつくる、自己対話の時間
「ノートに思考を書く」というのは、つまるところ「自分」の本音に対して、自分が「じゃあどうするか」と返事をするような、手紙のやりとりのようなものだと思います。
紙に書かれた文字を介して、自分と「自分」が対話する感覚。ぜひ、試してみてください。
自分と「自分」の関係を風通しよくすることは、心を満たす一歩目。
その関係が良くなるにつれて、きっと心地よく生きるためのベースが整っていくはずです。
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