【じぶんジカン選書】冬の読書におすすめな、心が動く3冊

こんばんは。じぶんジカンの岡本です。

月に1回、岡本が「じぶんジカンユーザーさんにおすすめしたい本」をご紹介していくこのコラム。

1月は「冬の読書におすすめな、心が動く3冊」を選んでみました。季節に合う本を読むと、読書がより充実したものになるような気がします。

ご興味のある本があれば、手に取ってみてくださいね。

今回ご紹介する3冊
1)極夜行
2)しあわせのパン
3)火を熾す

もくじ

人間として忘れたくないことが詰まっている1冊

最初にご紹介したいのは、自然を通じて人間の本質にせまる本です。

著:角幡 唯介
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文明社会では感じられない「人間の本質」が覗ける1冊

太陽が昇らない「極夜」。

著者の角幡さんは、地球最北の村を拠点に、光のない世界を体験しに旅に出ます。

厳しい寒さと暗闇の世界を通じて、4ヶ月ぶりに太陽を見たときに角幡さんが感じたこととはーー。

普通に生活していると感じづらい「大切なこと」に気づかせてくれる1冊です。

自然が足りない方に、特に読んでほしい

私がこの本を初めて読んだのは、空が広く見渡せる気持ちのよい川沿いでのことでした。

自然に囲まれた場所で読むと、より極夜の旅に没入できるような気がします。

暖かいお昼に近くの公園で…など、自然を感じられる場所で読んでみるのもおすすめです。

すべてのものに感謝が芽生える

4ヶ月の極夜の生活で、角幡さんが人間の本質に迫っていくのですが、逆にこれほど極端な環境に身を置かないと、なかなか人間の本質的な部分には戻れないのだなと感じました。

本を通して角幡さんの旅を覗かせていただくことで、自然はもちろん、生きているものすべてに感謝の気持ちが芽生えてきます。

ちなみに私はこの本を読むたび、本を閉じたあと家の窓から星を眺めたり、外に出て冬の空気を吸い込んでみたりします。

自分を「少しずつ」認めていく姿に共感できる1冊

お次は、寒い冬に心がポカポカになる1冊

ポプラ社
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心温まる、寒い冬にピッタリの1冊

都会暮らしに疲れた2人が「新しい暮らしの場」として選んだのは、北海道・月浦。

2人でカフェを営みながら、そのカフェに来る葛藤を抱えた人々を癒していく物語。

お客様だけでなく、この2人にも様々な葛藤があるのですが、お客様から癒しをもらいながら、少しずつ心が解けていきます。

まさに「癒しの連鎖」が描かれる1冊で、読んでいるうちに心が浄化される気持ちになります。

自分を認められない人に読んでほしい1冊

この作品に出てくる誰もが「自分を認められない」という悩みを抱えています。

そんな登場人物達が、他者との関わりの中で少しずつ自分を好きになっていく姿に、心がとても温かくなります。

「自分を信じる」ということが、劇的ではなくささやかに進行していく様子が、個人的にはとても好きです。

自分を好きになるのは、自分のペースで良い

「スキナコトヲ、スキナトキニ」という言葉が作中で出てくるのですが、この言葉が心に残りました。

とくに「好きな時に」という部分には、「好きなことって自分のペースで進めて良いんだよなぁ」と安心します。

この言葉のように、悩みが晴れていく際も「劇的に解決!」というよりは、小川の流れのように「ささやかに」自分を認められたら良いかなと思わせてくれるのが、この作品の魅力だと感じます。

抗えないものを受け入れる瞬間は、きっとこんな境地なのだろう

最後は、人間の「宿命的なもの」を臨場感たっぷりに描いた1冊

著:ジャック・ロンドン, 編集:新井 敏記, 翻訳:柴田 元幸
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共感を抱かずにはいられない珠玉の短編集

ジャック・ロンドンの短編集です。訳者である柴田さんの言葉により、とても臨場感のある作品に仕上がっています。

極寒の地を舞台に、生と死を見つめる男と犬の物語「火を熾す」や、若さと老いという光と影を描いた「一枚のステーキ」など。

一見、自分には関係のない「遠くの出来事」だと感じる内容なのですが、読んでいくと「あぁこの気持ちわかるなぁ」とズサズサ刺さる、不思議な作品

多彩なジャンルの物語が詰まっているのも、この作品の魅力の1つです。

自分のペースで、じっくり読書を堪能したい人におすすめ

短編集なので、まとまった読書時間を確保しづらい方も、手に取りやすいかと思います。

短編とはいえ内容はとても濃く、読了後は色々と考えさせられることも多いかもしれません。寒い冬にじっくりと堪能したくなる1冊です。

それでも、前に進んでいく

生と死、老いと若さ、出自など。どうしても抗えないもののなかで奮闘する人々が描かれています。

どんな状況であれ、人は前に進んでいくしかないのだなと、この本を読んで感じます。

冬の読書中、雪のプレゼントがありました。

今回の選書コラムのため、改めて「極夜行」を読んでいたとき、ちょうど窓から雪が。

私たちの住む湘南・辻堂は、雪があまり降らない地域なので、とても驚きました。

極寒の雪原が舞台となる本を読んでいるときに、珍しい雪が降るなんて。なんだか得した気分で読書に浸りました。

みなさまも、温かいお部屋でゆっくりと冬の読書時間を楽しんでいただけますように。

著:角幡 唯介
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