こんにちは。じぶんジカンの岡本です。
月に1回、岡本が「じぶんジカンユーザーさんにおすすめしたい本」をご紹介していくコラム。
今回は「旅」をテーマに3冊を選んでみました。
気候も暖かく外の世界に目を向けたくなる季節。
日々の生活から離れて、気持ちを開放するきっかけになると嬉しいです。
【今回ご紹介する3冊】
1)旅の断片(若菜晃子)
2)エストニア紀行(梨木香歩)
3)極北の動物誌(ウィリアム・プルーイット)
ありふれた日常を大切にしたくなる、旅エッセイ
最初にご紹介するのは、異なる角度から旅の魅力が語られる1冊です。
旅先「にも」ある、特別でない風景
世界を旅する著者の若菜さん。若菜さんが出会った旅先の「なんでもない風景」。
旅先で日常の生活に触れることこそ、旅の醍醐味であると感じさせてくれる1冊です。
穏やかで波のない、凪のような物語。
毎日を「流れるように」過ごしてしまうときに、手に取りたい
「自分の住むすぐ近くの場所だって知らない世界がたくさんある」と若菜さん。
自分の足元の自然や日常にも、思わず目を向けたくなる本です。
日常を慈しむ心を取り戻すのが、旅の魅力
旅の目的地よりも、その道中で出会った猫や、電車から眺めた田園風景などが記憶に残っているものです。
旅先で “ありふれた毎日” に触れることで、「この世界が自分の日常と繋がっている」ことを思い出させてくれます。
自分の日常を慈しむ心を取り戻すのが、旅の魅力なのかもしれないと、この本を読んで思いました。
知らないことを知る楽しみが詰まった1冊
次は、見果てぬ土地に思いを馳せる1冊です。
エストニアという国の、柔らかさに触れて
私たちには中々馴染みのない国、エストニア。
エストニアを旅し、自然や人々の暮らしに触れた著者のエッセイです。
まるで一緒に旅をしているような感覚になる、まさに「本に旅する」珠玉の一冊です。
知的好奇心が、ぐんぐん刺激されます
エストニアの自然や人々の魅力はもちろん、土地の歴史や文化にもどっぷり触れていきます。
知らない土地を知る、未知を知るという旅の魅力が詰まっています。
旅好きな人や好奇心が強い人には、是非読んでほしいです。
本の旅だからこそ、できること
馴染みのない見知らぬ国に旅したり、その土地の人と話したり。
そんな風に行動できたらとても楽しいと思うのですが、実際の私はそんなことができる性格ではありません。
でも本を旅すると、こんな風に大胆に行動した世界が覗けるので、なんだか得したような気分になります。
本の旅でしか味わえない、極北の大自然の旅路へ
最後は、今の時代にこそ大切にしたい、大自然の営みを感じる1冊
極北の生態系を描いた幻の名著が復刻
ハタネズミを食べるノウサギ。そのノウサギをオオヤマネコが食べる。極北のタイガで繰り広げられる生物の食物連鎖。
各動物の視点から厳しい生態系の様子が描かれているので、まるで自分がその生物になった感覚になります。
読み進めていくうちに、生態系の複雑で奇跡的な関わり合いや、その中にヒトが与える影響なども見えてきます。
絶版が続いていた名著が復刻したのは、きっと今の時代に必要な本だったからなのかもしれません。
自然に触れることが少ないという人に、是非読んでほしい
壮大なスケールの自然を感じることで、日常の些細な自然に思いを馳せることができると思います。
本で極北の大自然を旅することで、身の回りの自然に目を向けるきっかけにしてもらえると、嬉しいです。
無駄なものは何ひとつないのが自然
生物の死を糧に生きていく生物。その中には天候など偶然の要素も絡み合いながら生態系を守っていきます。
無駄なものなど一つもない、奇跡のような環境によって生物は生きていけるものなのだと、この本を読んで感じました。
温暖化など地球の環境変化が激しい現代に、とても大切になる一冊だと思います。
夏の日陰での読書も、おすすめです
暑い日は涼しい部屋でアイスコーヒーを飲みながら読書するのも良いですが、公園のベンチの木陰で読むのも、気持ちが良くて好きです。
みなさまも、良い読書時間を。